@article{oai:dwcla.repo.nii.ac.jp:00000917, author = {北廣, 麻貴 and KITAHIRO, Maki}, journal = {同志社女子大学大学院文学研究科紀要, Papers in Language, Literature, and Culture : Graduate School of Literary Studies, Doshisha Women's College of Liberal Arts}, month = {Mar}, note = {application/pdf, AA11551704-20130329-49, 本論稿は、奈良のイメージ形成とその変遷について、精神史という概念および研究方法を用いて考察している。精神史という概念および研究方法は様々な研究領域で使われているが、本論稿では様々な文献を考察し、精神史とは、歴史的事実を追求することではなく、後世に生きた人々が歴史上の出来事をどのように受容してきたのか、ということを追求する研究方法であると定義する。  本論稿の出発点とした和辻哲郎『古寺巡礼』における奈良の捉え方は、実は世界に目を向けたものであり、その捉え方は、単純に和辻の個人的な見解というよりも、当時の時代背景が深く関わっていたことを指摘する。『古寺巡礼』における奈良のイメージが後の文化人や一般読書界にどのように受容されてきたのかということを考察するにあたり、ガダマーの哲学的解釈学の中心概念である影響史について触れている。ガダマーの「地平の融合」によって考えるならば、現在の奈良は、歴史的な事実と和辻の与えた新しいイメージの融合として理解することができる。人々はその融合したイメージの奈良を受容しており、和辻もまた、融合されたイメージのもとで奈良を論じている。ここで融合の連鎖が行われているといえる。しかし、和辻が解釈した奈良とヨーロッパが文化史的影響関係にあるという見方は、時代とともにアジアとの影響関係にあるという見方に変化している。そのイメージ変遷の要因を、岡倉天心や柳宗悦を手掛かりとして、近代奈良のイメージが多次元的に成立していることを指摘する。  これらの考察を踏まえたうえで、現在の奈良におけるイメージの広がりをネットワーク化されたイメージとして述べる。つまり、これまで受容されてきた『古寺巡礼』における奈良のイメージが分化し、共存しているといえる。こうして、多次元に捉えることができる現在の奈良を、世界と日本をつなぐメディア都市であると定義付けることで、本論稿の結論とする。}, pages = {49--74}, title = {近代奈良のイメージ形成 : 和辻哲郎と以後の精神史において}, volume = {13}, year = {2013}, yomi = {キタヒロ, マキ} }