@article{oai:dwcla.repo.nii.ac.jp:00000915, author = {風間, 末起子 and KAZAMA, Makiko}, journal = {同志社女子大学大学院文学研究科紀要, Papers in Language, Literature, and Culture : Graduate School of Literary Studies, Doshisha Women's College of Liberal Arts}, month = {Mar}, note = {application/pdf, AA11551704-20130329-1, ドラブルは、2006年までに17作の長編小説を出版しているが、それぞれに趣向をこらし、実験的な試みを行ってきた。第16 作目のThe Red Queen: A Transcultural Tragicomedy(2004)でも、副題に「文化を横断する、ジャンルを横断する」という趣旨の副題を付けることで、実験的な意図を明らかにしている。  ドラブルは、この副題が小説中で普遍性を提示するために必要だったと語っている。しかしながら、時代を超えて生きる女性とか、普遍的な人間性を有する女性という前提は、文化相対主義のポストモダンの時代には支持されない考え方であろう。そこで、この2つのもの(普遍性と相対性)の共存の可能性を探ったのがドラブルの意図であったと考えられる。本稿では、時代、国、文化を横断するという試みを通して、連続性と不確実性の混在という結論に至る経緯を分析した。以下に小説の構成とあらすじを記しておく。  小説のPart 1 Ancient Timesでは18世紀の朝鮮王朝のプリンセスの宮廷内の回想、Part 2の1つ目のModern Timesではイギリス人女性で生命倫理学の研究者Barbara Halliwell(以下、Babsと略す)の韓国ソウルでの学会の出来事、Part 2の2つ目のPostmodern Timesではイギリス帰国後のBabsの生活の変化、という具合に、小説は時間的・空間的な区分を設けた3 部構成となっている。本稿では小説の引用箇所で便宜的にPostmodern TimesをPart 3と明記した。  Babs は1 年間のオックスフォード大学での研究休暇を終えようとしている時に、送り主不明の書籍の贈り物を受け取る。それは200年前の朝鮮王朝の王の息子(思悼世子 (サドセジャ))の正室、恵慶宮 (ヘギョングン) によって書かれた『回想録』(英語訳)であった。Babsがこの本を夢中になって読むのは、韓国のソウルで開催される学会へと向かう機中である。朝鮮王朝時代のプリンセスは墓場から出現した幽霊となって、時代や国を往き来できる存在である。Babsもこの『回想録』を読むことで、知的、精神的に2つの時代と2 つの文化を横断する。要するに、この作品は、200 年の時代の隔たりの中で、古い物語と21 世紀の現代が交差するという設定の上で抽出できる「女の物語と歴史」の真価を披瀝する試みを行っていると言える。}, pages = {1--22}, title = {ドラブルの "the new 'her-story'" : The Red Queen : A Transcultural Tragicomedy (2004) 考}, volume = {13}, year = {2013}, yomi = {カザマ, マキコ} }