@article{oai:dwcla.repo.nii.ac.jp:00002345, author = {大津, 直子 and OTSU, Naoko}, journal = {同志社女子大学大学院文学研究科紀要, Papers in Language, Literature, and Culture : Graduate School of Literary Studies, Doshisha Women's College of Liberal Arts}, month = {Mar}, note = {application/pdf, AA11551704-20220331-L1, 本稿は六条院存立の意義を問う。造営が語られる「少女」巻において、光源氏は既に二条院及び二条東院(以下、東院)という二つの邸宅を所領している。六条院固有の役割としてまず想起されるのは、前斎宮(後の秋好中宮)の里邸の機能であろう。ただし、元々光源氏は彼女を二条院に迎えた上で宮中へ送り出す心づもりでおり、六条旧邸の活用をあくまで暫定的な措置として考えていた。加えて、京内の土地は内裏に近ければ近いほど貴族たちから重んじられており、土地柄で言えば二条の方が遥かに高雅な一等地である。なぜ物語は、太政大臣となり栄華の極みに達しようとしている光源氏に二条の地を放擲させ、立地条件の面で大きく劣るはずの六条院を造営させるのだろうか。 二条院に併設したばかりの東院の存在意義を揺るがすようにも見えることから、この展開はいわゆる構想過程論上の争点とされたこともあった。本論は、第一に平安時代から現在至るまで五条大路が生と死とが交錯し異形のものが立ち現れる時空であり冥界との回路となっていること、第二に六条院には物の怪に取り憑かれて亡くなった母、一方で物の怪となり他人を取り殺した母│迷妄の中にいることが危惧される母を持つ子どもが集められていることを指摘する。その上で、この邸が経済基盤が脆弱な妻妾を庇護する東院とは全く異なる目的、即ち頓死、物の怪化の末に死した母を慰撫するための時空として用意された、物語意匠の空間であるという結論を導く。}, pages = {1--18}, title = {『源氏物語』六条院試論(一)}, volume = {22}, year = {2022}, yomi = {オオツ, ナオコ} }