@article{oai:dwcla.repo.nii.ac.jp:00001824, author = {岸, ひとみ and KISHI, Hitomi}, journal = {同志社女子大学日本語日本文学}, month = {Jun}, note = {application/pdf, AN10175460-20200702-67, 『源氏物語』横笛巻において、光源氏が幼い薫に対して、「かれはいとかやうに際離れたるきよらはなかりしものを」と思ったことが記され、薫に、実父の柏木にはない「きよら」を見出している。薫は成人してからは「きよげ」と評され、「きよら」は否定されている。 従来から、薫におけるこの美的評価の変更は、語り手によるものだと捉えられてきた、しかし、これは源氏が薫を評したものであり、語り手の意図によって変えられたと解する前に、源氏がなぜ薫を「きよら」であると思ったのか、その意識を考察した。語り手(草子地)において、人物を「きよら」または「きよげ」だとした場合は、物語の中の客観的評価である。しかし、登場人物が特定の人に対してそう思った場合は、その人物の主観による評価なので、その者の意識が作用している。源氏が特定の人の顔に対して「きよら」と思う場合には、自分の顔が意識されている。 薫に対して用いた「きよら」という語が、源氏に、薫が柏木の子ではなく、自分の子だという意識を喚起している。源氏が薫を我が子と思えるようになったことで、薫は物語の主人公性を継承することになる。}, pages = {67--83}, title = {『源氏物語』薫の「きよら」考}, volume = {31}, year = {2019}, yomi = {キシ, ヒトミ} }