@article{oai:dwcla.repo.nii.ac.jp:00001588, author = {岸, ひとみ and KISHI, Hitomi}, journal = {同志社女子大学日本語日本文学}, month = {Jun}, note = {application/pdf, AN10175460-20170630-109, 『源氏物語』柏木巻において、光源氏が初めて不義の子を抱いて口ずさむ「静かに思ひて嗟くに堪へたり」は、『白氏文集』「自嘲」の一節を引用していることから、「汝が爺に」は、従来より子に対する源氏の胸中心理として捉えられている。本稿においては、源氏が「喜ぶに堪へ」を略して朗詠されたことに注目し、「汝が爺に」とはどのような意味を持つのかを再考した。  その結果、朗詠で源氏が女三の宮に向けて、未練から、不義の子を持つ父の嘆きを訴えたことにより、「汝が爺に」は、源氏から女三の宮へ、柏木に似てほしくないということだけではなかったことが判明した。この箇所が草子地であるため、語り手が、源氏はどこまで明確に意識しているかわからないが、無理だとはわかっていても、愚かであることをわかってもらいたかっただろうにと推量したものでもあると解するに至った。  朗詠と草子地という二つの手法を用いることで、『白氏文集』の世界が『源氏物語』において引用を超えて機能し、源氏の女三の宮への韜‘晦された心情と共に交錯する深層心理を表出して、原詩とは異なる物語の深遠な世界を構築していることが浮かび上がった。}, pages = {109--120}, title = {「汝が爺に」 : 『源氏物語』柏木巻における白詩引用論再考}, volume = {29}, year = {2017}, yomi = {キシ, ヒトミ} }