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外国語としての英語(EFL)学習者にとって語学の4つのスキル: リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの総合的な育成が重要である。時間的制約を受ける音韻情報の受容と発表に関連するリスニング・スピーキングは習得がより困難である。リスニングは受容的活動とみなされ、音韻の聞き分けに指導法の重点を置かれてきた。第2言語習得に関する研究が盛んに行われるようになってから、リスニングにも能動的・統合的能力の指導を行う必要性が指摘されるようになった。新しい指導法ではトップダウン能力を育成することが強調される傾向にあるものの、それだけで統合的リスニングに結びつけることは困難であり、ボトムアップ的な基礎能力も同様に重要である。本論文では、リスニングに必要とされる語彙学習に焦点を当てながら、学習方略やディクテーション力の側面から実験に調査・研究し、大学教育における英語リスニング指導法の新しい方向性について考察を試みた。\n\n 本論文は6章から構成される。第1章では本論文作成の動機を述べ、論文の構成について説明した。また、リスニングに必要とされる基本能力や総合的語学力について概観し、リスニングが単なる聞き取りのスキルではなく全般的言語能力の基盤となること、リスニングにおける重要な学習者要因が、語彙力と学習方略であることを明らかにした実験結果を示し、本研究を実施するに至ったきっかけを紹介した。\n\n 第2章では外国語学習における語彙力の重要性に関する先行研究をまとめ、第2言語学習者が日常会話において必要とする最低限の語彙(閾値)は2,000語であると仮定した。研究1では、効果的なリスニング活動を行う上で閾値となる語彙サイズを検証するために、語彙レベルテスト(VLT)、語彙サイズテスト(VST)とCELTリスニングパートを用い、大学生を協力者として調査を行った。その結果、VLT得点は2,000語と3,000語レベルでCELTに対し統計的有意な差を示し、VLTの3,000語レベルまでの語彙力を育成することがリスニング力向上に効果的であることを示唆した。\n\n 第3章では外国語教育における言語学習方略の重要性についての先行研究をまとめ、研究2において、リスニング力や語彙力の違いにより学習者が異なる学習方略を用いる可能性を検証した。VLT、VST、CELTを用いることで調査内容の信頼性を高め、学習方略調査はOxford(1990)のSILLから直接方略に関する項目と、リスニングと語彙学習に関する項目を追加して作成した。学習方略調査の因子分析結果から、リスニング高得点群の学習者の語彙学習方法の傾向として、文脈からの推測、単語記憶、音韻・背景知識の方略を用いていることが明らかになった。語彙レベル/サイズの得点はCELTに対して有意な相関関係を示し、リスニング力向上のためには語彙力増強が有効であることを示した。語彙学習は語学学習において最も必要とされるが、単語の意味だけでなく、品詞情報、音韻情報、辞書情報なども合わせ基本語彙力を育成することが重要であることを提案した。\n 研究3では、語彙調べ作業を課すことによるリスニング力への教育的効果の測定を試みた。基本語2,000語群とAcademic語群に分け辞書調べ課題を課した。2,000語レベルより高いレベルの語彙学習がリスニングの学習効果を高めると予測したが、TOEIC、CELTとVLTの結果からは、辞書調べ学習のグループ間におけるCELTおよびVLTの得点に有意差は見られなかった。しかし、TOEIC得点の総得点が大幅に上昇した学習者と大幅に減少した学習者の間の語彙レベルに有意な差が見られた。上昇群は基本語彙2,000語レベルを早くに習得することができていたため、CELTの得点とVLT得点は伸びを示した。TOEICで測定されるような語学力の向上のためには 2,000語レベルをできるだけ早く習得させることと3,000語レベルの得点を向上させることを目指した語彙指導の必要性および重要性を明らかにした。\n 研究4では、辞書調べ活動の語彙レベルの違いが語学力の伸びに与える影響について検証した。2,000語レベルの課題を春学期に調査協力者全員に与え、秋学期には3,000語レベル語彙学習群とAcademic語レベル語彙学習群に分け課題を与えた。辞書調べ課題の効果を測定するために3,000語レベルとAcademic語レベルの単語を選び出し空所補充式のディクテーションテストを実施した。その結果、全体的に見た場合、3,000語レベルの辞書調べ課題の方が語彙力の向上にとって有利だというデータが示された。また、ディクテーションテストを行うことで、聞き取った音声を限られた時間の中で綴りとして書き出す発表的語彙力の測定がVLTによる受容的測定とは大きく異なる側面をもつことを示した。\n\n 第4章では音声学視点であるボトムアップからの語彙指導の必要性に着目し、音声器官と発声のメカニズム、調音器官、聴覚器官、言語音の知覚・処理について述べ、音声の最小単位である音素についてInternational Phonetic Alphabet (IPA)を用い説明した。英語の音声を聞き取り、発表語彙として綴るには、音素を識別し、発音の最小単位である音節を認識し、英語の複雑な綴りのパターンへとつなげていく力が求められる。しかし、英語では綴りを見ても正確な発音につなげることが困難であるため、IPAの知識を活用することが、音韻情報の側面からの語彙学習において重要であることを示した。\n\n 第5章では、発表的語彙測定を取り上げた。発表的語彙テストは、受験者が高い英語力と文法力を持っていないと適用できないため、日本人EFL学習者にはむずかしすぎると考えられ研究例が少ない。一般的に行われるディクテーションでは、音声を聞き取り単語をスペルアウトする間に作業記憶が重要な働きをしている。EFL学習者のディクテーションテストにおける誤答について語聴分析を行った研究5では、Nation and Fountainが開発した発表的語彙知識を測定するための語彙レベルディクテーションテスト(VLDT)の適応可能性と信頼性の検証を試みた。実験I ではTest-AおよびTest-Bを原版のまま実施し、両テストの相関係数と平均点の差異の検証を行った。結果はTest-Aの平均点がTest-Bに比較し極端に低く、その原因として1つのフレーズに含まれる単語数の多さが原因であることが示された。実験IIではVLDTの困難性の解決を試み、信頼性を検証するとともに適用困難性の原因を単語レベルで検証ために、Test-Aの修正版を作成し、原版のままのTest-Bと比較した。その結果、Test-AおよびTest-Bの相関関係および信頼性係数は十分に高い値を示し、AB間で総得点の差異には有意差があったものの差は小さくなり、長いフレーズを聞き取る際に音韻ループの容量を超過してしまい、綴りとして再構築することが困難であることが明らかになった。また、音声的処理はできていながらも意味的・文法的処理ができていないことによる誤答例が見られたことから、英語の発音に対するスペリングへの結びつきが弱いことも指摘した。\n\n 第6章ではVLDTの信頼性と妥当性について検証した。EFL学習者の発表的語彙は「受容的語彙のおよそ2分の1」という先行研究の結果から、研究6ではVLTとVLDTの成績を語彙サイズに換算して比較した。調査協力者に対しCELT、VLDT(Test-Aは再修正版を利用)、VLTを実施し分析を行った結果、CELT、VLTの平均点は1年を通して向上しているがVLDTの平均点はTest-Cの平均点が極度に低かった。しかし、VLDT Test-A~Dの相互相関は十分に高い値を示し、CELT・VLTとの相関も統計的に有意であったことから、VLDTは語彙力測定の尺度として十分な信頼性を示した。また、VLDTはパラグラフごとの得点でなく総得点で評価すべき尺度であることを示し、VLDTにより測定される発表的語彙サイズはVLTの受容的語彙サイズの約50%であることが確認された。Test-Cについては日本人EFL学習者へ適用の際に、困難度の改善が必要であることも示した。\n 研究7では、妥当性に疑問が残ったTest-Cの難易度を修正し、VLDTの並行テスト間と語彙テストとの信頼性について再検証を試みた。CELT、VLT、VLDTとの相互相関係数は統計的に有意な値を示し、VLDTの総得点は高い信頼性係数を示した。また、EFL学習者にとりディクテーション形式語彙テストは、1)高レベルの語彙の聞き取り、2)複雑なスペリング、3)複数形の処理、4)長い音節数の語彙の聞き取り、において困難であることを明らかにした。\n \n 本論文では大学におけるリスニング教育と英語語彙学習について、一連の実験結果をもとに次の4点について論じた:\n1) リスニング向上のための語彙力、\n2) リスニングと語彙の学習方略、 \n3) 音声・音韻的知識を含めた語彙学習、\n4) VLDTの日本人EFL学習者への適用と妥当性の検証。\n\n 受験者に高い語学力と文法力がないと適用が困難だとされていた発表的語彙テストであるVLDTについて、日本人EFL学習者への適応可能性と信頼性の検証および適用困難性の原因を単語レベルでの誤聴分析により明らかにした。ディクテーションでは音声を聞き取ってから綴り字を書く間に作業記憶が重要な働きをし、中でも音韻ループは音声に関する情報の貯蔵とリハーサルを担う点で言語習得には不可欠である。調査結果により、VLDTは語彙力測定の尺度として十分な信頼性があることを示した一方で、語彙力よりも記憶スパンを測定している比重が大きいことを指摘した。また、VLDT原版で平均点が極端に低かったTest-AとTest-Cの難易度を調整し、VLDTの並行テストとしての信頼性を検証し高い信頼性係数を得た。結果として示されたEFL学習者の特徴は、音声的処理はできるが意味的・文法的処理ができない、英語の発音に対するスペリングへの結びつきが弱いことなどである。本論文は、今後のリスニング教育におけるIPAとスペリング教育の重要性について充分な貢献を果たしたといえよう。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_dissertation_number_12":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第6号"}]},"item_10006_identifier_registration":{"attribute_name":"ID登録","attribute_value_mlt":[{"subitem_identifier_reg_text":"10.15020/00001460","subitem_identifier_reg_type":"JaLC"}]},"item_10006_version_type_18":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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